2026年9月7日、IKPROJECT MV10
『一縷』のMusic Videoを公開しました。
『一縷』という作品については、以前このブログでも、楽曲に込めた想いを書きました。
絶望や喪失の中にあっても、完全には消えずに残っている、ほんのわずかな希望。
今回のMusic Videoでは、その「一縷の光」を、ひとりの女性の記憶と未来を通して描いています。
故郷へ戻るKAEDE
物語の主人公は、IKPROJECT VocalのKAEDE。
彼女はかつて暮らしていた港町へ戻り、失われてしまった風景の中を歩いていきます。
そこにあるのは、昔と同じ故郷ではありません。
建物も、日常も、記憶の中にあった景色も、大きく変わっています。
それでも、その場所を歩くことで少しずつ蘇ってくるものがあります。
自分がここで育ったこと。
ここで笑ったこと。
そして、ここで未来を夢見ていたこと。
今回のMVでは、失われたものを元に戻すのではなく、失った記憶とともに生きていくことを大切に描きました。
「将来、歌手になりたい」
物語の中でKAEDEが見つける、一枚の紙。
そこに残されていたのは、
「将来歌手になりたい」
という、幼い頃の自分が書いた言葉です。
多くのものが失われてしまった場所で、かつて自分が抱いていた夢だけが、もう一度目の前に現れる。
それは、ただ懐かしいものを見つけたという場面ではありません。
過去の自分から、今を生きている自分へ届いた言葉でもあります。
夢を持っていた少女は、やがて故郷を離れ、歌うことを選びました。
そして今、その場所へ戻り、もう一度自分の原点と向き合います。
桜に託したもの
MVの後半でKAEDEは、故郷に一本の桜の木を植えます。
この桜は、「すべて元通りになった」という意味ではありません。
失われたものは、なかったことにはできない。
悲しみも、記憶も消えるわけではない。
それでも、その記憶を抱えながら、新しい命を未来へつないでいくことはできる。
そんな想いを、この一本の桜に重ねています。
そして物語の最後。
時が流れ、植えられた小さな桜は、大きな木へと成長しています。
長い年月が過ぎても、あの日に残された想いは消えていない。
ほんの小さかった希望が、未来の景色の中で生き続けている。
MVでは、その未来をあえてわずかな時間だけ映しています。
すべてを説明するのではなく、
「あの日に植えた希望は、今も生きている」
という余韻を残したかったからです。
「一縷」という言葉
『一縷』で描きたかったのは、大きな希望ではありません。
何もかも失った時に、「頑張れば大丈夫」と簡単に言えるものでもありません。
本当に苦しい時に掴めるものは、もっと小さなものかもしれない。
消えてしまいそうな光。
わずかな想い。
それでも、その小さなものが、もう一度生きていくための始まりになることがあります。
この作品で大切にしている言葉があります。
「今この世界を 未来につなげて」
過去を忘れるのではなく、記憶も痛みも抱えながら、未来へつないでいく。
それが、『一縷』という作品、そして今回のMusic Videoで描きたかったことです。
Music Video
IKPROJECT MV10
『一縷』
ひとつひとつの場面に込めた意味も含めて、最後まで見ていただけたら嬉しく思います。
そしてラストに映る桜を見た時、最初に登場した小さな光が何を意味していたのか、少しでも感じていただけたら嬉しいです。
これからもIKPROJECTは、楽曲だけでは伝えきれない感情や物語を、Music Videoという形でも残していきます。
IKPROJECT





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